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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*恋のワナ*



   君の仕掛ける

 ちいさなかわいい恋のワナ。
  
      ひっかかってみようじゃ

   ないですか。


 *恋のワナ*


 「おはようございます。
    偶然ですねぇ~」


 朝の下駄箱。

 いつものように君はそう言って

 僕に微笑みかけてくる。


 「おはよ。朝はよく会うよね。
   同じ電車だったり?」


 僕が微笑み返すと

 君は頬を赤くする。


 「同じですかねぇ?何時なんですか?」


 ちょっと首を傾げて

 君は問い掛ける。


 でも知ってるよ。

 駅で君が僕を見てることくらい。

 痛いくらいの視線が

 送られてることくらい

 ちゃんと知ってる。



 いつからだったっけ。

 去年だったよね。

 君が僕の前に現れだしたのは。



 君から愛の言葉を

 まだ聞いたことはないけど

 君は次から次へと

 僕のココロを動かすんだ。


 
 「先輩」


 放課後の下駄箱。

 例の如く君はいて


 「あの・・・これ・・」


 君の手には

 かわいらしいラッピング。


 「今日の調理実習で作ったクッキー。
   余ったっていうか・・・いっぱい
 作りすぎちゃって・・・」


 “先輩のために”

 そのかわいらしいラッピングと
 
 君の態度はそう物語ってるのに

 君の口からは

 とってつけたような言葉。


 
 ねぇ、君はどれだけココで

 待ってたの?

 スカートの裾に砂いっぱいつけちゃってさ。


 
 「もらっていいの?」


 照れる君の手から

 かわいらしいラッピングを受け取って

 微笑みかける。


 「ありがと、すっげぇ嬉しい。
   オレ、クッキー好きなんだ」


 僕がそう言って微笑むと

 君も嬉しそうに微笑むんだ。


 「よかったぁ」


 君のそんな笑顔を見てると

 君の仕掛ける恋のワナに

 不覚にもかかっちゃいそうで



 「お礼といっちゃなんだけど・・・」



 女のコに仕掛けられてばっかで

 恋に落ちるのも

 なんだ俺的に悔しいから



 「一緒に帰ろっか」



 たまには僕からも

 恋のワナしかけさせてよね。





* ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * 

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bbs

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